
イハリウムコアジロギャラリーでは、銅と土の版画アーティストizoomi-m(ももせいづみ)の展覧会を開催いたします。
Izoomi-mは、銅版を土に埋めたり自然の中に放置して腐食させ、版画の手法でプリントする独自の手法で作品を作り続けています。銅は酸やアルカリによって腐食します。その特徴を利用したのが銅版画という技法ですが、この酸やアルカリは土や雨の中にも含まれています。土の中には私たちの時間を超えた多くの命の痕跡が眠っているからです。
作家は自身の手だけでなく、世界各国のさまざまな人に銅版を埋めてもらい、それぞれの場所と人の物語を映し取るアートプロジェクトも多く手がけており、今回はイハリムコアジロギャラリーの海を見下ろす庭を舞台に、14人が銅版を埋めました。これは「一度自分自身を土の中におくり(葬り)、再び取り戻す」という体験でもあります。
2024年の5月に埋められた銅版は、12月に掘り出され、満月の光を浴びたあとプレス機で刷られました。
8ヶ月という時間を土の中で過ごした銅版に刻まれたかたちと風景の中に、わたしたちへのメッセージはあるのでしょうか。
土と風と雨が刻む時の記憶を、ぜひご体験ください。
展示内容
izoomi-mによる
「わたしをおくる」 “Metamorphoses”
これまでの作品の銅版の欠片を裁断してコアジロギャラリーの庭に埋めました。
そこに、私の少女時代の記憶を重ね作品を作りました。
私の少女時代は決して幸福なものではなかったように思います。記憶をこの海の見える庭の土におくり、再び取り戻すことで、思い出は変容するのでしょうか。
記憶の書き換えと変容の試み。一緒に時間を旅していただければ幸いです。


14人の「わたしをおくる」
プロジェクトに参加した14人の銅版を、埋めた時にそれぞれが自分自身におくった言葉を反芻しながら、一枚一枚ていねいに刷りました。
コアジロギャラリーの庭の土のちからは思った以上に強く、9ヶ月の時間を経て、おくり手が記した模様や傷は、土による腐食に埋れてしまったものもあります。
しかしそこを透過して、自然が作り出したかたちと風景に、参加者は何を見出したのでしょうか。
みなさんも一緒に、土の模様を探してみませんか。
―izoomi-m ももせいづみ


izoomi-m+14人のおくり手によるアートプロジェクト
izoomi-m Art Project Exhibition
「わたしをおくる」―Metamorphoses
2025年3月15日(土)―23日(日)
17日(月)休廊
10:00-18:00
最終日 -16:00
場所:iharium koajiro galleryイハリウムコアジロギャラリー
〒238-0225 神奈川県三浦市三崎町小網代1240-1
Tel: 080-5002-7759
ももせいづみプロフィール
銅と土の版画アーティスト、コラムニスト
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